四柱推命子弟問答集 抄

 この内容は、拙著「四柱推命四柱推命子弟問答集」中尾書店の内容の内から、一編をブログに掲載して、実践鑑定の可能性を、皆様の参考に供しようと思って載せてお見せするものです。

 ご興味をお持ち頂ければ、大阪の中尾書店にお問い合わせ頂ければ、本書は手に入れる事が可能だと思います。


昭和53年 6月 20日午前 3時46分  女命

   甲 癸 戊 戊 

   寅 丑 午 午




    65  55 45  35  25  15  5
    壬  癸  甲  乙  丙  丁  戊  

    子  丑  寅  卯  辰  巳  午

(泰州)   この人の原命式は、癸と丑が水星と言いたいのですが、丑は午と寅に挟まれているので、                                         
      水星とは成れず、土ですから癸だけが水星です。 
       戊戊と午午丑寅が土星で、甲と寅が木星ですから、用神は庚庚庚となります。

(泰州)   二人の星を鑑て、一番気を着けねばならないのは、女性の方です。

(生徒)   どの様に気を付けるのですか。

(泰州)   なるだけ、女性を家庭の外に出さぬ事。
       例えば、共稼ぎをせねばならない様な、事にしない様に注意する事。
       もう一つは、身体の件で、水星日に生まれて、土星が多過しているので、婦人科の件に注           意が必要です。

(生徒)   実は、手足だけが熱くて眠れない、と本人が言うのです。
       ホルモンのバランスが悪いので、余り強い薬を用いずに、漢方薬による治療を行う様に、    指示をしたのですが。

(泰州)   その指示は、水の不及する命式の人に対する指示としては、非常に良いと思います。
  それと、もう一つ、乙卯・甲寅の大運は、木星が大旺して枯れて来るので、ノイローゼの件も防がねばなりません。

(生徒)   何が原因で、ノイローゼを発生するのですか。

(泰州)   それは、育児ノイローゼと、子供が出来ない事が原因のノイローゼ等の、いずれかの件が発生すると思われ、どちらが起こるかは判らないが、その可能性が大です。
  子供が出来たら育児ノイローゼ、子供が出来なければ子供が無いノイローゼになるので、その分だけ気遣いをして、労わってあげねばなりません。

(生徒)   その対処法は、どの様に気を付けるべきですか。

(泰州)   好きで結婚すると言っているのに、反対は出来ないし、結婚するというならば、親が運の悪い方に軸を合わせて、対処するべきですから、女性を中心に考えて、プレッシャーを掛けない様にするのが、最善の方法です。
  更に、親が経済的に援助してやらなければ、成らないのではないでしょうか。

(生徒)   実は、女性と話をした事が有るのですが、男性は共稼ぎを強く願っていて、「女性が働かない事は許さない」と言う意見を持っているとの事です。

(泰州)   若しも、女性を共稼ぎに出すならば、女性の原命式は官星が悪神で、主人が優しくなく、その上、働きに行くならば、主人以外の優しい男性にひかれる事に、命式の構造は成って居るのです。

(生徒)   身弱でも、そんな事が起こりますか。

(泰州)   身弱だから余計なのです。
        身弱は甘えん坊です。
その上に、頼りにする星は、原命式中に多く存在する通変星の星です。
       人間が何故、不幸を選択するかと言う原因は、頼ってはならない星に頼ってしまうから、不幸に流れてしまう傾向が有るのです。
       命式に多すぎる物が悪神であり、悪神の官星に頼ってしまうのです。
       だから、一番考えねばならない事は、この女性の主人と成る人が、奥さんに対して優しい態度で接する事なのです。

(泰州)   女性が働きに行かねばならぬ、と言われるのは困りますね。 
       この女性の運勢を狂わせる原因は、寂しいと言う心です。
       それが一番の原因と成って、何事も事件が発生して来るのです。
       ご主人が庇ってくれなければ、誰か他人にでも、寂しさを埋めてもらわなければ、どうにも成らなく成ってくるのです。
       それならば、主人の母親が息子と嫁と、どちらを大切にしますかと言われて、「嫁を大切にします」と言って呉れるならば、この人たちが夫婦に成っても結婚がつずきますが、「息子が可愛い」と言われるならば、この嫁は行き場を失います。
  
嫁の35歳からの甲寅の大運は、木によって水は吸われてしまい、癸日干は涸れて来ます。その上、水を吸って甲寅は更に大きく成って、神経が昂ぶって来ます。
       更に日干の力量が消えて行き、日干が不及して消えると言う事は、この世の中に居ることに無常を感じるのです。
       言い換えると、自分はこの世に居ないほうが、良いのではないかと考え易く成るのです。
       
       この様に追いつめてしまったならば、この女性には二つの道しか無く成るのです。
       一つは他の男性と逃げる道、一つは一人であの世に旅立つ道です。

(生徒)自殺も考えられるのですか。

(泰州)  その通りです。
      その両方とも避けさせたいのです。

(生徒)  私は、女性に「気を使わないで置きなさい、その方が良いですよ」と言うのですが。

(泰州)  今からでも、解消できるならば、女性は婚約でも結婚でも、解消した方が良いのですが。

(生徒)  それは出来ません。

(泰州)  それならば、男性に「この女性に辛く当たったならば、この人は、どこにも自分が帰る処が無いのですよ」と言ってあげるべきです。

(泰州)  この女性の原命式と大運を見て、知らねばならない事は、両親との縁が薄く、実家に帰れなくなる可能性が、大で有る事を知って置かねばなりません。

      この女性が、5歳までの大運中が大丈夫であれば、両親は揃って生存しているのですが、5歳までに両親を失わなくても、実家にはこの女性を受け入れる能力が無いと言う事を、原命式の形・力量から判断せねばなりません。

(生徒)  この女性の両親は揃っているのですが、父親は昔は社会的に、非常に高い地位に居た人ですが、故郷を離れて離婚をして、今は何をしているか判らない人です。
      母親は地方に暮らして居て平穏に暮らして居ます。

(泰州)  お母さんは、田舎で暮らして居られる様ですが、この女性を引き取って呉れられない状態に有る筈です。

(生徒)  なぜ、その様に鑑るのですか。

(泰州)  この女性の用神は、庚庚壬を必要とし、日干は原命式中に通根が有りません。
      この事は、一度実家を離れると、実家に戻る事が出来なくなる事を意味します。
      その上、月干を父親の定位とし、戊の父親の星が日干の癸と妬合し、悪神と成るので、実父と義父と二人の父親が存在する可能性が有り、大運に日干を救う運が来ないのですから、5歳までの大運に、父親に死亡されるか、又は父親が一方的に家族を捨てていると判断するのです。
      つまり、お母さんは、自分一人が生きて行く事で一杯になり、娘のことまで面倒を見れず、他の男性と再婚している可能性が有るのです。
(この鑑定の様な判断法は、星の力量を判断できると、明瞭な形として判断ができます。)

(生徒)  実は、実家のお母さんは優しい人なのですが、再婚して別の男性と家庭を持っているのです。

(泰州)  それならばこそ、この女性と結婚するならば、絶対に幸せにして見せると言う、覚悟が男性には必要だったのです。

(泰州)  若し、女性に死なれたらどうしますか。
      若し死なれたら、男性は一生後悔をせねばならなく成りますよ。

(生徒)  男性の庚申・辛酉の運は用神の運だと思いますが、用神が来るとどの様に見えますか、人間的に優しく成りませんか。

(泰州)  男性の庚申・辛酉の大運は用神の運であれば、良い事の起こり易い思い道理に成る運ですが、元来、男性の命式は拗ねと僻みの強い命式であり、(男性の命式は割愛しますが、原命式の型式が理解できれば、簡単に判る様になります。)大運に用神が来ると、人柄は良い方に変化します。      
      
       しかし、この人の様に、土星の命式中に多い人の場合は、全く原命式の外側にのみ用神の来る時には、外では愛想が良くなり、柔らかい人物を演じ人には認められますが、家庭的にまで変化を及ぼす事は無く、本当には優しくは成りません。


{結論}  若しも、男性が結婚しても優しくなく、結婚を後悔して自殺を考える事が有れば、我慢をせず   
     に早く離れてしまうべきです。

      その為にも、主人と成る男性が、外に出て働けと言うならば、それを機会と考えて、手に職が            着く資格を取得して置く事を、お勧めします。 




  以上、掲載いたしました例題は、限定百冊の本の一部ですが、実践鑑定科の授業では、この様な話を一回に6~8題生徒が持ってきた物を、その場で解析して見せるのです。