通変星の意味    序論

 通変星には、比肩劫財・食神傷官・偏財正財・偏官正官・印綬偏印の十種の星が有り、吉の働きをする場合と、凶の作用をする場合に分ける事が出来、大凡、20種類の作用を起こします。



 この20種類の通変星の作用は、どの様な通変星の十干でも、7割まで同一の作用を起こそうとしますので、例えば、食神傷官の悪い働きならば、女性ならば夫との離婚・死別、男性ならば失職・倒産等の現象を発生を見ることは、7割まで同一ですが、その現象の発生原因やその作用の経過などは、通変星の十干の性格・能力の影響下にあり、最終結果に至る行程の違いは、日干と通変星の十干相互関係の相違によって、考察を加えねばなりません。


 
 また、その通変星の発生させる、吉凶の作用の規模、吉凶の作用の長短の期間などはは、通変星自体の強弱力量に帰因します。


 また、命式の中に隠れている通変星で、力量は持っていても天干に全くない物は、大運などの天干に顕われたとき、直接通変星の現象を表すのです。

 この現象と、天干にある通変星が通根して、通変星の作用を発揮して来るのが、通変星と大運とによって運勢を構成する、基幹の法則です。

 また例えば、大運などに天干に余り、影響力を持っていない通変星の天干などが、命式中の力量を大きく変化させる地支を連れて来て、運勢を変化させる時は、その天干の通変星が、吉や凶を運ぶ道具と成ります。

 例えば、荷物がゆうパックで送られてくるのか、クロネコヤマトの宅急便で来るのか、佐川急便で送られて来るのかを、事前に知る事が出来るのも、通変星の能力の一端で、どの様な発端で吉凶が発生する予告や、切っ掛けかを予測できる事は、災難を避け幸福を確実に手に入れる、大切な試金石であり、推命鑑定の腕の違いを明確に示す事に成ります。



 例えば、命式中に悪い官星をもっていても、今は何の作用も出ていない時に、大運の天干に比肩が付いていて、大運の地支に悪い官星を連れ来たり、三合・方合を成立させる時は友達(比肩)が悪い官星を連れて来る、と判断し正確に将来を予測することも可能になるのです。


 通変星は、直接運命に作用して来るものと、天干の通変星に限って、吉凶の運搬手段としての、役割を担っていることも知ってください。

 


 通変星を単純に見過ごさない為には、人に頼る事よりも苦しんでも考えることで、十干相互関係百態論と力量論と言う最奥秘伝が有るのですから、、成るだけ自分で考える癖を着けてください。

四柱推命の用語

喜神・忌神


 振り返って見ますと、私が推命学を学んだ頃は、用神の概念や働き能力について、非常にあやふやで、用神と調候用神の区別も付けられず、用神と喜神の区別も着けられない程、鑑定を直観に頼らねば為らない程に、低俗で幼稚な理論でした。

 
 一番大切で区別しなければ成らない事は、用神と喜神と調候用神は、全く違った働きと意味を持ったもので有ると言う事です。


 現在の四柱推命学には、この区別が無いか、または、用神を取る事さえままならず、命式の中から用神を探すと言っている程度の、幼稚な段階ではないかと思います。

 

 
 喜神とは、用神を生じる関係の星と考え易いもので、用神も喜神も共に運勢を良くする働きをする、と考え易いのですが、用神は単独でも吉の働きをしょうと作用しますが、喜神は用神が備わっている時は、用神と協力して良い作用をしますが、喜神のみで命式中に存在する時や、原命式に用神が存在せず、又は存在していても、微力に過ぎるときは、喜神は吉の作用をせず、却って大運に喜神が来ても、思いもよらない悪い作用を起こし、忌神よりも恐ろしい働き、現象を発生させると言う、裏の作用を熟知して居なければ、危険だと言う事です。

 

 また、調候用神は名前は用神ですが、実際には運勢を変える力には乏しく、人間関係を円滑にさせる、力に限定して考察するべきです。

 


 忌神は、用神と対立する星である可能性が高く、用神を尅し用神の働きを、消し去ろうとする星ですが、忌神だけを注意していたのでは不充分で、忌神が生じる星や、忌神を生じ援ける星の働きを注視せねばならず、譬え命式中に忌神を生じる星や、忌神が生じる星が命式中に存在していなくても、それらの星は忌神連動して、様々な作用を明暗に起こして来るのですから、その動き影響をも考えて置かねばなりません。
 

 これを、未見の法というのです。


絶対に、用神と調候用神と喜神を混同しない様に、注意して推命学を学習してください。
これは、基本中の基本ですが、奥義中の奥義でもあります。

四柱推命の用語

身旺・身弱



 身旺とは、命式中に日干を扶ける星の多い者や、月令を得ている者のことを言います。
 

 身弱とは、命式中に日干が通根しない者、通根していても著しく傷を受ける者と、限定する方が、明確に限定・判断することが可能だと思います。

 身中とは、それ以外の者を身中と考えてください。


 私が推命を学習し始めたころは、身旺・身中・身弱を其々3段階ずつに分類して、9種の力量に分類せねば鑑定が出来ないと、実しやかに教えられ、本気でどの様に判定を加えるべきか、どの様に鑑定の変化を加えるべきか、等を究明すべきか、考えてまいりましたが、これも鑑定の出来ない先人が、自分を偉く思わせたい、自分に追い付かれたくないとの思いから、わざと造りだしたトラップでした。

 身旺は、人を利する生き方でなければ、幸せを得る事が出来ず、人を踏みつける事より不幸せを招き、身弱は人に任せる人に頼る事より、大きな災いを引き起こすのが、日干の十干毎に其々行動パターンや、思考法には違いが有りますが、鑑定の基本原則です。