雑感 3

 
 今回は、原命式の示す災難と、現実の現象が違って見えるも、油断をすると本来の姿に戻る運命の話をしたいと、思います。

 生徒さんが、身弱多官の生年月日で、日干の通根の無い女性で50歳前の方の命式を、持ってこられたのです。
 この方は、非常に難しい病気に罹り、有名な大病院に入院して治療を受けておられ、治療が全く効かず助けて欲しい、如何すれば良いかと、生徒さんに鑑定を依頼され、生徒さんが私に尋ねて来られたのです。

 私は、官星が悪神で更に大過なので、結婚に難が有り、結婚出来ないか、結婚していても幸せな結婚に成って居ない筈なのであるが、どうなっているかと尋ねてみました。
  
 

  もしも、最初から結婚に難が有ったり、幸せでない結婚であったり、初めから官星悪神の作用が先祖の徳が無く、分散して災いが最初から分割でやって来て、少しずつ苦しめられていたり、余程に若い時から、運命の解る者に判断を仰いで居て、正しい努力をして、苦しみの素を解消し、幸せに成って居れば、先祖の徳分が切れたからと言って、改めて官星の災難が発生する事は、稀な事なのです。

 生徒さんの話では、とても良いご主人で、一流企業の重要な地位就いている、主人に当たって、幸せでセレブで何の不自由もなく、お孫さんにも恵まれて、ただ、内臓の器官の管が詰まっていて、それが取れなければ即死する事に成って居て、何度も施術を行っても全く効果が無く、如何したら良いのか判らないのだ、という話なのです。

 私は、この様に原命式の通りではなく、命式の運勢と違い幸せな人生を送って居るのは、先祖の徳分の貯金を取り崩して、幸せを演じ続けて来ただけですから、最後まで幸せな人生で終わる保証は有りません。
 若い時から結婚相手の相性や運不運等、官星悪神の対策を立てておかなければ、元来原命式の官星が悪神なのですから、何時れは躰の件か夫の件で、災いを受ける物だと思いました。
 


 但し、ご主人の生年月日は見ておりませんので、女性自身の身から出た錆なのか、ご主人の影響が、先祖の徳の保護が切れたために出て来たのかは、断定できませんでした。
 

 生徒さんは、断易も学習されており、病院の適否の易をも立てて来ていました。

 その卦を見ると、医者には全くその病気に対する、能力も知識もなく誠意も無く、別の病院に掛かり直すべきだと出ており、その様に勧めました。

 本人さんは、数回の施術を受け、全くその病院では効果が期待できず、担当の医師からは「これ以上は、どの様にも出来ません」との回答を受けているそうです。

 私の答えとしては、別の専門のお医者さんを探すべきで、大運からは絶対に死亡するとは申し上げれないが、五分五分だから時間の有るうちに、早く行動すべきですとお答えしました。

 一週間して、あの方はどうなさったかと、生徒さんに尋ねたところ、新しい専門の病院が見つかったのだそうですが、ご主人が「せっかく僕が一生懸命見つけてきた病院なのに、もう少し頑張って見た方が良いのでは」と言われ、転院することを諦めたそうです。
 これが、本来の官星の悪神の働きで、主人は繰り返し親切に、悪神の作用を誘いに来ます。
 
 これが、悪神が目覚め活動を始めた現象です。

 悪神は、先祖の徳分が有ると、40歳過ぎぐらいまでは、悪神の働きを止めてくれますが、40歳を過ぎると先祖の徳分だけでは全く効力を失い、今迄の幸せは、蜃気楼のように消えて仕舞ます。

 出来れば、最初の出会いから、良い相性の者を選び、良き運勢の者との縁を望み、自分の運勢の対策を良く考えて、よきアドバイスを求めて,更に自分だけの幸せに満足せず、少しでも人の苦しみに関心を持ち、少しでも人の苦しみを解く協力をし、神仏に手を合わせる事をして置かなければ、時至って悪神が動き始めると、止める事が不可能に変化し、最愛の良き夫と思って居た、主人に足を引かれ運を裏切られ、悪運に引き込まれることに成りかねません。
 

 ただし、結婚してしまった者は、手遅れですから、離れるべき等とは絶対に言ってはならず、少しでも災難を避ける方策を指示します。

 しかし運勢も病気と同じく、災難が早期で軽い内は癒し易く、遅れれば遅れる程、そして終末に近い程、打つ手が無く成ってしまいます。
 

 私に出来る事は、思い切って専門の経験のある病院に一刻も早く、転院を進める事ですが、通根の全くない人は、他人頼りで自分の気に入った様にしか動きません。

 人は、神仏に手を合わす謙虚さが無い故に、自我に固執し意見は聞きたいが、占い師と目下に見て、運勢通りに成る方が多い物で、推命の価値を無駄に扱われ、歯痒さと情けなさを痛感いたします。


 人間の運勢を変更する力は、1.先祖の徳分と、2.正しい自分に向いた用神の努力と、3.神仏の加護を求める事と、4、自分に余裕のある時は、他人の苦しみを減らすことで、自分の罪障を消滅する事ではないでしょうか。

 1.先祖の徳分は、有るか無いかは目に見える物では無いのですが、原命式で起こってくる悪い現象が我が身に起こって来ない時は、大概は先祖の残してくれたと徳分によって、執行猶予を与えられているだけで、40歳過ぎまでに問題の根本を消滅する努力をして置かなければ、改めて再び原命式中の悪神が活動を始めます。

 また、生年月日に出ていないにも係わらず、様々な悪い現象を見るのは、家系の悪因縁によるものです。

 例えば、本人の生年月日に癌を発生すると言う、星の情報が記されていない人であっても、癌を発生させて死亡に至ってしまった人が有りますが、後に良く話を聞いてみたところ、父親も祖母も曾祖父も同じ癌で亡っていることが判明します。
 この様に、人の魂は本人の者ですが、躰は先祖からの借りものなのです。
 家系の事は、占い師には与り知らない事ですから、自分の事は自分で知って予防をして頂かねばなりません。

 同じ家系の者が、平等に先祖の業を受ける訳では有りませんので、自分の責任を持たねばならない分量の、先祖の残した業を供養して、少しでも減少して置く事によって、先祖の負の遺産を引き継がない様に、知らずに持って居る先祖の業を少しでも減らすのが、先祖を満足させるような供養です。


 2.人は、運命の傾きが有り、悪神の誘い誘惑に特に魅力を感じ、自ら進んで悪運に傾く努力をするという、癖を持って居ます。

 人間は幸せに成る権利と、その為に果たさなければならない、個人的に大きさの違う、義務が有ります。
 
  
 その幸せに成る為の、義務の量だけ努力すれば、努力の分だけ災いが消滅し、楽に成るのですが、努力の方法が間違っていれば、努力は全く効果を挙げることが出来ないのも自明の理です。
この為にも、用神を知る事、用神に沿った努力をする事が大切です。

 3.神仏に手を合わせる
これは、謙虚な心を持ち頑なに成らず、あらゆる他人の意見を拒否せず、素直に他人の意見を聞き、一度自分で咀嚼してみる素直な心を持つ必要と、人知を超えた力を借りれる物ならば借りて見ようとする事の大切さです。

4.他人の災難を少しでも、取り除く為の協力をする。
災難を少なくする事は、先祖の徳分を宛てにするだけでは有りません。
自分の災難を少なくするためには、人の苦しみを少しでも軽くするように、手助けをすることも、有効な手段です。
少しでも、自分の出来る範囲だけでも、他人の苦しみを軽くする事で、自分の苦しみも減少します。
 
この要件の一つでも欠けると、そこから運勢の崩れが発生してきます。