雑感 2

 会社の経営者や、自分で仕事している人の話です。

 事業を起こす人は、財運が良くて会社を起業した人は少く、却って用神が関係しているのです。
 用神の運が30代~60代にかけて周ってきた人で、自分の得意な分野に力を注いできた人が、創業の人です。
 

 どんなに大きな会社に育ててきた人でも、自分一人の独裁で来た会社では、人の運勢には盛衰が有り、何時までも盛運を続ける事は自然の原則から不可能です。

 しかし、創業の社長と言う物は、多くは突撃隊長型の人が多く、自分に着いて来い、お前達は意見を言うな、努力さえすれば永遠に幸運が続くと考え、人を育てる事を考えず、運が悪くなってから、どうしたら運勢を回復出来るか、と尋ねてくる方が有りますが、時すでに遅く現状を維持するための努力しかなく、起死回生の時期を逸している場合がほとんどです。

 それ故に、運勢の良いときにこそ、悪い運勢の備えを怠らぬ様に考えるべきで、資金を蓄えて置く事や、将来の人材の確保にも配慮が必要です。

 折角備えたつもりで、間違った人材を確保せぬ様にも考えてください。
私の話ですが、わたしの先生が有る社長さんに、この新入社員は将来、重役にすれば必ず運がよく、社長の役に立つ人材に成るので、大事にする様にと鑑定してもらい、20年後に私の処にその重役にした、社員の鑑定を持ってこられました。

 私は、この方は頭の黒いネズミの命式ですが、と申し上げると驚かれて、なんで、採用したときにそれを教えてくれなかったのか、実は、この人間は息子と同い年で、後には息子の片腕として、育てて来ましたが、重役にして1年目に5000万円以上の会社のお金を横領して逃げたのだそうです。

 この様に、毒蛇の卵を鳳凰の卵と間違えて、大事に育てて孵化したら、自分に害をする物であったと言う様な者では、将来の備えに成るどころか、災いを招きいれる様な者です。
 

 この様な、鑑定をしたならば、完全に四柱推命家の責任であり、せっかく将来に備えようと考えた社長の前途を閉ざす、悪意の鑑定です。


 しかし、経営と言う物は自我のみを通し、能力のない息子に、何の補佐役も付けず、ぎりぎりまで実権を握り、運が悪くなってから経営を息子に譲り、どうしたら社運を上向ける事が出来るか、教えろと言ってくる方が多いのですが、一旦運勢が傾いてから社運を上げるには、腐った部分を削除する以外には、方法は有りません。
 

 この様に成る前に、運の良い誠実な社員の運勢を買い取るつもりで、採用して置いて、その社員を育てていけば、後継者の運が悪くとも、充分に補強が可能なのですが、如何思われますか。?
 


 推命は運が悪くなってから改善する能力よりも、運の開閉の時期を知り、それに正しく対応する事を目的にしています。

 事業が上手く行かなくなってその対策ならば、病気に成れば医者に掛かるべきであり、法律の問題で窮地に陥っているならば、弁護士に相談すべきです。

 推命家は、今から10年先、20年先にどの様な対策を取って置くべきか、どの様に努力すべきか、等の未来の姿を予め見せる事で、運が悪くなるまで気儘に行動し、その尻拭いをする事では有りません。
 運勢は、現在なんの問題も発生していない時期にこそ、予め鑑定を受けて未来の災難を避けるべきであり、災いに嵌ってから素の姿に戻すことは困難を伴い、元の姿に戻る保障もありません。
 

 本来生まれた時から、吉運の時期と凶運の時期と、災難の種類がわかるのですから、40歳に成って仕事もせずに家に籠ったり、せっかく築いてきた会社が崩壊するのを充分に避ける事が可能に成ります。

 また、運が悪く成った場合にも、経営者の運を買い取り自分の足りない運を補う事も可能でが、これも運が悪く成る前に、良い運の社員を登用することによって、社運を維持する事も推命学の能力の一つです。

 人に給料を払うのは、その人の経験や働きにお金を払うと思って居るようですが、実はその人の運の良さと、経験能力に給料を払うのだと言う事を知って置いてください。

 例え過去にどの様な経験を持って居ようとも、本人が倒産の運勢を持って居る者に、経営を任せたならば、必ずや近未来に会社を傾けて行く事は、自明の理なのです。

 人の運勢の発展期と言う物は、長くても50年短ければ20年が平均的な物です。
 創業期は、たとえ吉運でも苦労が多く、調子が良くなると一生ずっと続くと思いがちで、悪い運が来て初めて如何にも成らないので、占い師に如何にかしろと言い、手詰まりに成ると、推命は鑑てもらっても仕方がない、役に立たないと悪口を言う人が有りますが、とても不愉快な理不尽さを感じます。